2024.05.02 BLOG
ECサイトを立ち上げるためには、最初にECサイトを構築するためのサービスを選択する必要があります。しかし、ECサイトの構築方法は種類が多いため、はじめての方にとってどれを選べば良いか難しいのではないでしょうか。
本記事では、ECサイトを構築・リニューアルを検討をされている事業者向けにECサイトの構築方法の選び方や、ECサイトを構築するうえで理解しておくべきポイントをわかりやすく解説します。
目次
ECサイトを構築する際の主な方法としては、以下の5つが挙げられます。
フルスクラッチ開発は、ゼロからECサイトを構築する方法です。完全にオリジナルのECサイトを作ることができ、企業のニーズに合わせて機能を実装できます。ただし、開発期間が長く費用もかかる傾向があります。
パッケージ導入は、パッケージ化されたシステムをもとに、企業の要望に応じて個別に開発する方法です。主要な機能はすでに組み込まれており、比較的短い時間でECサイトを構築できます。パッケージ導入はECサイトの自由度が高く、サポートが充実しているため、大規模なECサイトに適していますが、コストが高めです。
オープンソース利用は、無償で公開されたソースコードを利用してECサイトを構築する方法です。自由度が高く、柔軟性とカスタマイズ性がありますが、専門知識が必要であり、セキュリティリスクも考慮する必要があります。
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)利用は、サードパーティが提供するECサイトの構築・運営に必要なシステムをクラウド上でレンタルする方法です。低コストで始めやすく、運用管理が簡単なので、専門知識がなくてもスタートできるという利点があります。しかし、個別のカスタマイズが難しく、自由度が制限される場合があります。
クラウドEC(SaaS)利用は、クラウド上で提供されるECプラットフォームを利用してECサイトを構築する方法です。自動アップデートや高いセキュリティ性が特徴であり、中規模以上の企業に適しています。スケーラビリティ(拡張性)やセキュリティが高いですが、ASP利用よりもコストがやや高く、構築にかかる期間も長くなってしまうことが一般的です。
次に、それぞれの選択肢のメリット・デメリットやサイト年商規模の目安、初期費用・月額費用の目安を一覧表で比較していきます。
構築方法 | メリット | デメリット | サイト年商規模の目安 | 初期費用の目安 | 月額費用の目安 |
フルスクラッチ開発 | ・自由度が最も高い
・ゼロから完全にオリジナルのECサイトを作れる ・柔軟なカスタマイズと拡張が可能 |
・高いコストと時間が必要 | 50億円~ | 数千万円~ | 数十万円~ |
パッケージ導入 | ・カスタマイズ性が高い
・ベンダーによるサポートが充実している ・システム連携に優れている ・比較的短い時間でECサイトを構築できる |
・初期費用や月額費用が高め | 1億円~ | 500万円~ | 10万円~ |
オープンソース利用 | ・コストを大幅に抑えられる
・カスタマイズ性が高く、自由に構築可能 |
・高度なプログラミング知識が必要
・セキュリティリスクが高い |
1~5億円 | 無料~ ※別途、運営・セキュリティ対策などが必要 |
10万円~ |
ASP利用 | ・初期費用や月額費用が安価
・システムの保守やバージョンアップはASP側が担当 ・比較的短い時間でECサイトを構築できる ・専門知識がなくても始めやすい |
・機能やカスタマイズ性に制限があり、自由度が低い | ~1億円 | 無料~10万円 | 無料~10万円 |
クラウドEC(SaaS)利用 | ・自動アップデートにより最新状態が維持できる
・拡張性やセキュリティ性が高い ・カスタマイズの自由度が比較的高い |
・初期費用がやや高め
・カスタマイズ性に一部制限がある場合がある |
1~20億円 | 300万円~ | 10万円~ |
サイト年商規模に関してはあくまで目安となるため、厳密な決まりはありません。それぞれの選択肢のメリット・デメリットや、コストを考慮し、自社に最適な方法を選択することが成功へのカギとなります。
ここまでECサイトの主な構築方法5選と、その違いについて説明しました。
次にそれぞれの選択肢の比較をもとに、自社にとって最適なECサイト構築方法の選び方と理解すべきポイントを解説します。
ECサイト構築方法選びにおいて特に重要なチェックポイントは、主に以下の3つです。
サイト構築を始める前に、自社の事業内容においてデザインや決済システムなどをカスタマイズする必要がどのくらいあるかを入念に検討しておきましょう。
自社の予算に合う構築方法を選ぶことは大切ですが、費用だけにとらわれて選択してしまうと、ECサイトの運用で問題や課題が生じた際に、構築したシステムのカスタマイズ性や拡張性が低く解決できないというケースが生じてしまいます。
サイトの目的や目標に合わせて総合的に判断し、予算が許す限りカスタマイズ性や拡張性の高い方法を選んでおくことがおすすめです。
ECサイトは立ち上げたら完成というわけではなく、更新が必要なものです。
サイトを運営するためのランニングコストや、システムが古くなった際に次の開発に備えるための費用や時間、技術力を考慮する必要があります。
サイト構築時から長期的な視点でシステムの更新や改善を見据えておくことがとても重要です。
ECサイト構築方法を選択する際は、「売上目標」や「ECで達成したい目標」を事前に明確にし、関係者間で共有しておくことがとても大切です。
目標とする売上規模や実現したい販売方法を整理し、EC事業の業務フロー(運用フロー)もイメージした上で、目標を実現できる方法かどうかを検討しましょう。
ECサイトを構築する際の主な選択肢として、フルスクラッチ開発、パッケージ導入、オープンソース利用、ASP利用、クラウドEC(SaaS)利用の5つをご紹介しました。各導入方法にはそれぞれ一長一短があるためその違いをしっかりと把握し、自社のニーズや予算、構築にかかる時間などに合わせて最適な方法を選択することが重要です。
株式会社シアンスでは、ECサイトの開発支援を行っております。お客様のご要望に合わせて最適なECサイト構築方法をご提案できますので、ECサイトの構築・リニューアルをご検討中の方はお気軽にご相談ください。
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ITソリューション部 営業課